洋菓子の製造・販売をしているお店であり、観光地に立地しているルタオに勤めているため、講演の依頼をいただいた。ルタオの社員としてお話させていただく。
ルタオには創業からいるため、来年ルタオは創立20周年、私も勤続20年になる。当社は母体が寿スピリッツ㈱のグループ会社の一部で、グループ会社は国内に16社、海外にパートナー会社が6店舗ある。㈱ケイシイシイは平成8年4月に㈱コトブキチョコレートカンパニーとして創業し、その後平成11年に会社名を変更し、現在の㈱ケイシイシイとなった。
“ルタオ”は小樽の地名を逆さまに呼んでいることが社名の由来だとよく言われるが、実際はそうではなく、「小樽の親愛なる塔」という意味を持ってつけた名前。
近年ルタオは有名になっているが、最初からそうであったわけではない。オープン当初は堺町通りに観光客はたくさんいるのに店舗に入ってくれなかったので、店頭で無料牛乳券を配り店内で飲んでもらうことを行った。観光客は入ってくれるようになったが、観光地である小樽でも時期によって客数が減り、売上が変動してしまうため、地元・小樽のお客様が増えるように市内限定で商品1個からの無料配達を行った。そのほか、地域イベントへの参加や、試食コーナーの設置、ケーキバイキングの実施、無料コンサート、紅茶講座、料理教室の開催など、1つ1つの努力の積み重ねにより少しずつお客様を増やしてきた。宅配サービスについては、坂の多い小樽でお年寄りや体の不自由な方に大変喜んでいただいているため現在でも行っている。
子どもの日や敬老の日には施設にお菓子をプレゼントし、それが時にメディアで取り上げられ、評判となり観光客と地元のお客様を増やし売上を上げていった。
ルタオが全国的に有名になったきっかけは、テレビでドゥーブルフロマージュが紹介されたこと。当初は店舗で販売する生ケーキしかなく、自宅に送って欲しいという要望が相次いだため、冷凍の仕方や練り方の工夫をし、5年掛けて独自の冷凍技術を開発した。ルタオの店舗で新しい小樽土産として人気に火がつき、全国のデパートの物産展等で販売したところ、爆発的なヒット商品となった。
冬のイベントである雪あかりの路期間中には、韓国や中国等、海外ボランティアの方をルタオに無料招待し、日本の家庭料理をテーマに料理教室を行っている。日本の食文化やルタオの美味しさを海外の方に伝えたいという思いがあり、こういった活動を通じて日本・小樽を知ってもらい、世界に発信したい。
また、ルタオ内でも紅茶講座やケーキバイキング、ランチとルタオのケーキを食べるツアーを開催し好評を得ている。
当社は「喜びを創り、喜びを提供する」を経営理念としており、これを常に意識し、実践し続けるために経営理念の手帳“小槌手帳”を作成し、手帳をベースに理念の共有と一人ずつのやる気をチーム力に変えるために毎朝、小槌朝礼を行っている。
また、本店の前に「人生という旅」という詩を刻んだ石碑を建立しているが、これは車椅子カメラマンとして知られる、詩人の田島隆宏氏の詩。ルタオの創業者である河越氏は、四肢障害である田島氏と出会い、田島氏の生んでくれた母に対する感謝の詩を読んで感動した。田島氏のように何事にも感謝をしながら生きたいと思い、「ありがとう」という感謝の心をルタオ創業の心にしたいと思った。ルタオ創業の心は、田島さんの心である、“「感謝」「歓迎」の心”を受け継ぐことである。
ルタオは地元の方に、自慢できるお菓子を作り、サービスを提供したいと考えており、地元の方に利用していただけるお店にしたい。ルタオの熱狂的ファン創りチーフとして、世界中から小樽の熱狂的なファンが訪れることを願っている。

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